トラックのDPF洗浄と詰まり対策|警告灯が点く原因・費用の目安・予防のしかた
この記事のポイント
- DPFは排気ガスのすすを集めて燃やす装置です。すすがたまると自動で燃やし(自動再生)、燃やしきれないときは手動再生が必要になります。
- 警告灯が点滅したら手動再生を。点灯したまま使い続けると、出力が大きく落ちたりエンジンが止まったりすることがあります。
- 詰まりの原因は、低速走行の多い使い方・手動再生をしないこと・指定外のオイルなど。洗浄の費用は5万〜12万円程度が目安です。
「DPFの警告灯が頻繁に点く」「手動再生をしてもすぐまた点く」「なんだか力が出ない」——ディーゼルトラックをお使いの方から、DPFについてのご相談をよくいただきます。この記事では、DPFの仕組みから詰まる原因、洗浄や交換の費用の目安、日頃からできる予防までをまとめました。
DPFとは(メーカーごとの呼び方)
DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)は、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる黒いすす(粒子状物質、PM)をフィルターで集め、たまったすすを燃やして取り除く装置です。排出ガスの規制に対応するため、現在のディーゼルトラックの多くに付いています。
同じ働きの装置でも、メーカーによって呼び方が違います。
| メーカー | 呼び方 |
|---|---|
| いすゞ | DPD |
| 日野 | DPR |
| 三菱ふそう | DPF |
| UDトラックス | UDPC |
自動再生と手動再生
フィルターにすすがたまると、車が自動で排気の温度を上げてすすを燃やします。これを「自動再生」といいます。ふだんは運転手が気づかないうちに行われています。
ところが、低い速度での走行が続いたり、短い距離の走行をくり返したりすると、自動再生が最後まで終わらないことがあります。すると、メーター内のDPFのインジケーター(警告灯)が点滅して、停車して行う「手動再生」を促します。手動再生は、安全な場所に止めてスイッチを押し、エンジンをかけたまましばらく待つ方法が一般的です。手順は車によって違うので、必ず取扱説明書を確認してください。
警告灯が点いたときの対処
| 警告灯の状態 | 考えられること | 対処 |
|---|---|---|
| 点滅している | すすがたまり、手動再生が必要 | 安全な場所に止めて手動再生を行う |
| 手動再生してもすぐまた点滅する | 燃えにくい灰がたまっている、センサーなどの不具合 | 整備工場で点検。洗浄や部品交換が必要なことも |
| 点灯したまま消えない | すすがたまりすぎている | 使い続けず、早めに整備工場へ |
国土交通省とトラックメーカーがまとめた資料では、インジケーターが点灯したまま使い続けると、エンジンの出力が大幅に落ちたり、エンジンが自動で止まったりすることがあると注意を呼びかけています。荷物を積んで走っている途中に止まると大変です。点滅の段階で手動再生をすることが大切です。
DPFの詰まり・警告灯、まずはご相談ください
症状と車種を教えてください。洗浄・交換のご案内や、詰まりを防ぐ方法をご提案します。
DPFが詰まる原因
1. 低速での走行が多い・短い距離の走行をくり返す
市街地での配送のように、ゆっくり走ったり止まったりをくり返す使い方では、排気の温度が上がりにくく、自動再生が終わりにくくなります。すすがたまりやすい使い方です。
2. 手動再生をしない・途中でやめる
警告灯が点滅しているのに手動再生をしなかったり、途中でエンジンを止めてしまったりすると、すすがたまり続けます。
3. エンジンオイルの燃えカス(灰)がたまる
すすは燃やせば取り除けますが、エンジンオイルが燃えたときにできる灰(アッシュ)は燃えずにフィルターに残ります。灰は少しずつたまるので、どんなにきちんと再生していても、長く使えば定期的な点検や清掃が必要になります。
4. 指定と違うエンジンオイルを使う
DPF付きの車には、灰になる成分が少ないDPF対応のオイル(DH-2規格など)が指定されています。指定以外のオイルを使うと灰がたまりやすく、目詰まりが早まります。乗用車向けのDL-1規格のオイルとは別物なので注意しましょう。
洗浄・交換の方法と費用の目安
手動再生で直らないほどたまってしまった場合は、DPFを車から取り外して洗浄するか、交換することになります。
| 方法 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 取り外して洗浄 | 専門の業者が灰やすすを取り除く。もっとも一般的 | 5万〜12万円程度(業者・車の大きさで違う。取り外し・取り付けの工賃が別のことも) |
| リビルト品に交換 | 使用済みのDPFを再生した品に交換 | 新品より安い(目安として新品の7割程度とする情報もあります) |
| 新品に交換 | 新しいDPFに交換 | 小型で約25万円・大型で約100万円という情報も |
費用は、洗浄業者が公開している価格(2026年10月時点)と雑誌の記事をもとにした目安です。実際の金額は車種や状態、業者によって変わります。洗浄している間は車が使えないため、代わりのDPFと入れ替えるサービスを用意している業者もあります。
詰まりを防ぐ日頃の使い方
- 警告灯が点滅したら、早めに手動再生をする。先延ばしにするほど、すすがたまります。
- 車庫に戻ったらインジケーターを確認する。すすのたまり具合が表示される車では、必要なら手動再生をしておくと、翌日の運行中に点滅するのを防げます。
- メーカー指定のDPF対応オイルを使い、交換時期を守る。
- 定期点検でDPFの状態を見てもらう。灰は少しずつたまるので、早めに見つければ費用も抑えられます。
小林商会のDPF向けメンテナンス用品
トラックヒーローを運営する小林商会では、自社ブランド「ディーゼルエイド」のDPクリーンシステムを取り扱っています。「PM物質除去装置(DPマフラー)の汚れを除去して不調を改善」することを目的にした製品で、次のような不調を感じたときのメンテナンスにお使いいただけます。
- 自動再生を知らせる頻度が多くなった
- 強制(手動)再生が必要になる頻度が多くなった
- 燃費が著しく悪くなった
- エンジンのパワーがなくなったように感じる
- 強制再生しても問題が解決しない
また、燃料に入れるだけでインジェクター(燃料噴射ノズル)の汚れ(デポジット)を除去・抑制するディーゼルエイド インジェクタークリーナーもあります。お使いの車に合うか、どちらが向いているかなど、お気軽にご相談ください。
参考にした資料
- 国土交通省・トラックメーカー4社・全日本トラック協会の共同資料(DPFの使い方の注意) https://www.mlit.go.jp/common/000233457.pdf
- DPF洗浄の料金(各社の公開価格): https://celestecare.net/dpf/ ・ https://dpf-support.com/column/dpf_column/dpf-cleaning-fee/ ・ https://kougoku.co.jp/price
- ベストカーWeb(新品・リビルト品の価格の目安) https://bestcarweb.jp/?p=477657
よくある質問
- Q. DPFの警告灯が点滅したら、すぐに整備工場へ行くべきですか?
- A. 点滅は多くの場合「手動再生をしてください」という合図です。まずは取扱説明書の手順に従って手動再生をしてください。手動再生をしても消えない、点灯したままになる、力が出ないといった場合は、早めに整備工場で点検を受けてください。
- Q. DPFの洗浄はどのくらいの費用がかかりますか?
- A. 取り外して洗浄する場合、公開されている価格では5万〜12万円程度(車の大きさや業者によって違い、取り外し・取り付けの工賃が別のこともあります)が目安です。新品への交換はこれより大幅に高くなります。
- Q. エンジンオイルはどれを使えばよいですか?
- A. DPF付きの車は、メーカーが指定するDPF対応のオイル(低灰分のDH-2規格など)を使ってください。指定以外のオイルを使うと、燃えカス(灰)がたまりやすく、DPFが詰まる原因になります。
- Q. DPFの呼び方がメーカーで違うのはなぜですか?
- A. 同じ働きの装置を各メーカーが独自の名前で呼んでいるためです。いすゞはDPD、日野はDPR、三菱ふそうはDPF、UDトラックスはUDPCと呼んでいます。
DPFの詰まり・警告灯、まずはご相談ください
症状と車種を教えてください。洗浄・交換のご案内や、詰まりを防ぐ方法をご提案します。