トラックの部品名称一覧|エンジン・ブレーキ・足回り・荷台まで部位別に解説
この記事のポイント
- トラックの部品を「運転席まわり」「エンジンまわり」「ブレーキ」「足回り」「電装」「荷台(架装)」に分けて、名前と役割を一覧にしました。
- 乗用車にはない、エアブレーキや排気ブレーキなどトラック特有の部品も取り上げています。
- 部品の名前がわからなくても、車検証と写真があれば部品は探せます。
トラックの部品を注文しようとして、「この部品、何という名前だろう?」と困ったことはありませんか。整備工場の方と話すときや、部品を取り寄せるときに名前がわかっていると話が早く進みます。ここでは、トラックのおもな部品の名前と役割を部位ごとにまとめました。
運転席(キャブ)まわりの部品
トラックの運転席部分は「キャブ」と呼ばれます。エンジンの上にキャブがある形(キャブオーバー)が日本のトラックでは一般的で、点検のときはキャブを前に倒して(チルトして)エンジンを見ます。
| 部品名 | 役割・特徴 |
|---|---|
| キャブ | 運転席の箱の部分。標準キャブ・ワイドキャブ・フルキャブなど幅や奥行きの違いがあり、部品も変わります。 |
| フロントグリル(フロントパネル) | キャブの前面の板。車種や年式で形が大きく違います。 |
| フロントバンパー | 前面下部の衝撃を受ける部分。コーナーパネルと分かれている車もあります。 |
| サイドミラー(バックミラー) | 左右の後方を見る鏡。大型車では電動で角度を変えたり、ヒーター付きのものもあります。 |
| アンダーミラー・サイドアンダーミラー | 車のすぐ前や左側の死角を見るための鏡。 |
| ワイパー(ワイパーアーム・ブレード・モーター) | 窓の雨を拭く装置。ブレードは消耗品です。 |
| ステップ | 運転席に乗り降りするときの足場。 |
| チルトシリンダー・チルトロック | キャブを前に倒すときに支える部品と、走行中にキャブを固定する鍵。 |
エンジンまわりの部品
トラックのほとんどはディーゼルエンジンです。排気ガスをきれいにする装置や、ブレーキを助ける装置など、乗用車にはない部品が多くあります。
| 部品名 | 役割・特徴 |
|---|---|
| インジェクター(燃料噴射ノズル) | 燃料を霧にしてエンジンの中へ吹き込む部品。汚れがたまると燃費や力が落ちます。 |
| サプライポンプ・コモンレール | 燃料に高い圧力をかけて、インジェクターに送る装置。 |
| ターボチャージャー | 排気ガスの力で空気を押し込み、エンジンの力を上げる装置。 |
| インタークーラー | ターボで熱くなった空気を冷やす装置。 |
| ラジエーター | エンジンを冷やす水(冷却水)を冷やす装置。 |
| エアクリーナー(エアエレメント) | エンジンに入る空気のごみを取るフィルター。 |
| オイルフィルター(オイルエレメント) | エンジンオイルの汚れを取るフィルター。オイル交換と合わせて交換します。 |
| 燃料フィルター | 燃料のごみや水分を取るフィルター。水がたまる「セジメンター」が付いている車もあります。 |
| DPF(DPD・DPR・UDPC) | 排気ガスのすす(粒子状物質)を集めて燃やす装置。メーカーによって呼び方が違います(いすゞはDPD、日野はDPR、三菱ふそうはDPF、UDトラックスはUDPC)。詳しくはDPFの洗浄と詰まり対策で解説しています。 |
| 尿素SCR(アドブルー) | 尿素水を吹きかけて、排気ガスの窒素酸化物を減らす装置。尿素水の補充が必要です。 |
| EGR(排気ガス再循環装置) | 排気ガスの一部をエンジンに戻して、窒素酸化物を減らす装置。 |
| 排気ブレーキ(エキゾーストブレーキ) | 排気の出口を閉じてエンジンに抵抗をかけ、スピードを落とす補助ブレーキ。 |
| リターダー | 電磁石や油の力で回転に抵抗をかける補助ブレーキ。大型車に多く付いています。 |
部品の名前や品番がわからなくても大丈夫です
車検証の写真(または車台番号)と、困っている箇所を教えてください。合う部品をお調べしてご連絡します。
ブレーキの部品(エアブレーキ)
中型・大型のトラックの多くは、圧縮した空気の力でブレーキをかける「エアブレーキ」や、空気と油を組み合わせた「エアオーバーハイドロリックブレーキ」を使っています。空気を作ってためる部品があるのがトラックの特徴です。
| 部品名 | 役割・特徴 |
|---|---|
| エアコンプレッサー | エンジンの力で空気を圧縮する装置。 |
| エアドライヤー | 圧縮した空気から水分を取り除く装置。中の乾燥剤やフィルターは、メーカーの取扱説明書に従って交換します。 |
| エアタンク | 圧縮した空気をためておくタンク。底にたまった水を抜く作業(ドレン抜き)をします。抜いた水が多いときは、エアドライヤーの働きが落ちているかもしれません。 |
| ブレーキバルブ | ブレーキペダルの踏み加減に合わせて、空気を送る量を調整する弁。 |
| ブレーキチャンバー | 空気の力を、ブレーキをかける力に変える部品。駐車ブレーキ用のばねが入ったもの(スプリングブレーキチャンバー)もあります。 |
| ブレーキドラム・ブレーキライニング(シュー) | 回るドラムの内側にライニングを押し付けて止める仕組み。ライニングはすり減る消耗品です。ディスクブレーキの車ではブレーキパッドとローターになります。 |
| スラックアジャスター | ライニングがすり減っても、ブレーキの効き始めが変わらないよう調整する部品。 |
| ホイールシリンダー・マスターシリンダー | 油の力でブレーキを動かす車(小型トラックなど)で使う部品。中のゴム(カップ)は定期的に交換します。 |
足回り・駆動の部品
| 部品名 | 役割・特徴 |
|---|---|
| フレーム(シャシーフレーム) | トラックの骨組み。はしごのような形をしています。 |
| リーフスプリング(板ばね) | 重ねた鉄の板で車体を支えるばね。重い荷物に強いのが特徴です。 |
| エアサスペンション | 空気ばねで車体を支える仕組み。乗り心地がよく、荷物への振動も少なくなります。 |
| ショックアブソーバー | ばねの揺れを早く収める部品。 |
| ハブ・ハブベアリング | タイヤを取り付けて回す部分と、その回転を滑らかにする軸受け。異音やがたつきが出たら点検します。 |
| キングピン | 前輪の向きを変えるときの軸になるピン。 |
| クラッチ(クラッチディスク・カバー・レリーズベアリング) | エンジンの力をつないだり切ったりする部品。ディスクはすり減る消耗品です。 |
| トランスミッション(ミッション) | ギアを切り替えて、速さと力を調整する装置。 |
| プロペラシャフト | ミッションから後ろの車軸へ回転を伝える棒。 |
| デファレンシャル(デフ) | 曲がるときに左右のタイヤの回転の差を調整する装置。 |
| カプラー(第五輪) | トレーラーを引くトラクターの、トレーラーとつなぐ部分。 |
電装の部品
多くのトラックは、12Vのバッテリーを2個つないだ24Vの電気で動いています。乗用車用(12V)の電球や部品はそのまま使えないので注意しましょう。
| 部品名 | 役割・特徴 |
|---|---|
| バッテリー | 電気をためておく部品。24V車では2個をまとめて交換するのが一般的です。 |
| オルタネーター(発電機) | エンジンの回転で電気を作り、バッテリーを充電する装置。 |
| セルモーター(スターター) | エンジンをかけるときに回すモーター。 |
| ヘッドライト | 前を照らすライト。 |
| テールランプ(リアコンビネーションランプ) | 後ろの尾灯・ブレーキランプ・方向指示器・後退灯などが一つになったランプ。 |
| サイドマーカー(側方灯) | 車の横に付いて、夜に車の長さを知らせるランプ。 |
| ヒューズ・リレー | 電気の流れすぎを防ぐ部品と、電気をつないだり切ったりするスイッチ。 |
マーカーやテールランプは車検の決まりがある部品です。詳しくはトラックのマーカー・テールランプは車検に通る?で解説しています。
荷台(架装)の部品
荷台の部分は「架装(かそう)」と呼ばれ、トラックメーカーとは別の会社(ボディメーカー)が作っていることが多い部分です。
| 部品名 | 役割・特徴 |
|---|---|
| あおり | 平ボディの荷台の周りを囲む、開け閉めできる板。 |
| 鳥居 | 荷台の前、キャブの後ろに立つ枠。荷物がキャブにぶつかるのを防ぎます。 |
| 観音扉(リアドア) | バンの後ろの、左右に開く扉。ヒンジやロック(カンヌキ)、ゴムのパッキンなどの部品があります。 |
| ウイング(ウイングパネル) | 荷台の横が鳥の羽のように上に開く仕組み。開け閉めには油圧のポンプやシリンダーを使います。 |
| パワーゲート(テールゲートリフター) | 荷物を上げ下ろしする、後ろの昇降板。 |
| 突入防止装置(リアバンパー) | 追突した車がトラックの下にもぐり込むのを防ぐ、後ろの低い位置のバンパー。 |
| 巻き込み防止装置(サイドガード) | 左右のタイヤの間にある柵。歩行者や自転車の巻き込みを防ぎます。 |
部品を探すときのコツ
部品の名前がわかっても、トラックの部品は同じ車名でも年式・型式・エンジン・仕様によって合うものが違います。部品を取り寄せるときは、次の情報があると確実です。
- 車検証の型式と車台番号:どの車なのかを特定するいちばん大事な情報です(見方はトラックの車検証の見方で解説しています)。
- 部品の写真:取り付いている場所や、部品に書かれた番号(品番)が写っているとさらに確実です。
- どこが・どうなっているか:「左のテールランプが割れた」「エアドライヤーから異音がする」など。
トラックヒーローでは、部品の名前や品番がわからなくても、車検証の写真と症状を送っていただければ、バス・トラック部品の専門商社である小林商会が合う部品をお調べします。
よくある質問
- Q. 部品の名前がわからないまま注文できますか?
- A. できます。車検証の写真(または車台番号)と、部品のある場所や写真を送っていただければ、名前と品番をお調べします。
- Q. 同じ車種なら部品はどれも同じですか?
- A. 同じ車名でも、年式や型式、エンジン、仕様(ショート・ロング、標準・ワイドキャブなど)で部品が変わります。車台番号で確認するのが確実です。
- Q. メーカーによって部品の呼び方は違いますか?
- A. 違うことがあります。たとえば排気ガスのすすを集める装置は、いすゞではDPD、日野ではDPR、三菱ふそうではDPF、UDトラックスではUDPCと呼ばれます。
部品の名前や品番がわからなくても大丈夫です
車検証の写真(または車台番号)と、困っている箇所を教えてください。合う部品をお調べしてご連絡します。