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インジェクタークリーナーの効果と使い方|ディーゼルのインジェクターが詰まる症状と洗浄のしかた

公開日 ・トラックヒーロー編集部(運営:有限会社小林商会)

ディーゼルエイドのインジェクタークリーナーとデュアルクリーナー、使用前と使用後のインジェクターの先端

この記事のポイント

  • インジェクターは燃料を霧にして吹き込む部品です。先に汚れ(デポジット)がたまると、黒煙・燃費の悪化・アイドリングの不調などが出ます。
  • インジェクタークリーナーは燃料に入れて使う添加剤で、汚れが原因の不調に向いています。摩耗や故障は直せないので、そのときは整備工場へ。
  • ディーゼル車専用のものを選び、決められた量と使い方の注意(燃料フィルターの交換など)を守ることが大切です。

「黒煙が増えてきた」「前より燃費が悪い」「アイドリングでエンジンが震える」——ディーゼルトラックのこうした不調は、インジェクターの汚れが原因のことがあります。この記事では、インジェクターが汚れる理由と症状、燃料に入れるだけのインジェクタークリーナー(燃料添加剤)で何ができて何ができないのか、選び方と使い方の注意をまとめました。

インジェクターとは・なぜ汚れるのか

インジェクター(燃料噴射装置)は、エンジンの燃焼室に燃料を細かい霧にして吹き込む部品です。いまのディーゼルトラックの多くは「コモンレール式」と呼ばれる仕組みで、ポンプで高い圧力をかけた軽油をレール(共通の配管)にため、コンピューターの指示でインジェクターから決まった量を決まったタイミングで噴射します。噴射口はとても細く、わずかな汚れでも霧のでき方や量が変わってしまいます。

汚れのもとは燃料そのものです。軽油に含まれる成分が、エンジンの中の高い温度と圧力で変わり、粘りのある汚れ(デポジット、カーボン汚れ)になります。これがインジェクターや燃料の通り道、燃焼室にたまっていきます。走る距離が長いトラックほど、汚れがたまる機会も多くなります。

インジェクターが汚れたときの症状

インジェクターに汚れがたまると、燃料がきれいな霧にならなかったり、噴射の量がずれたりして、燃え方が悪くなります。次のような症状が出ることがあります。

症状起きていること
アイドリングでエンジンの振動が大きい・回転が不安定シリンダーごとの噴射の量がそろわず、燃え方にむらがある
アクセルを踏んでも回転がスムーズに上がらない(吹け上がりが悪い)必要な量の燃料がうまく霧にならない
燃費がはっきり悪くなった・力がなくなった燃え残りが増え、燃料が力に変わりにくい
排気の黒煙が増えた燃えきらなかった燃料がすすになって出ている
エンジンの音に異音が混じる燃焼のしかたが乱れている
DPFの再生の回数が増えた・警告が出るすすが増えてDPFにたまりやすくなっている

ただし、これらはインジェクターの汚れだけで起きるとは限りません。エアクリーナーの詰まり、ターボやEGRの不具合、燃料フィルターの詰まり、DPFの詰まりなどでも似た症状が出ます。DPFについてはトラックのDPF洗浄と詰まり対策で詳しく解説しています。

インジェクタークリーナー(燃料添加剤)でできること・できないこと

インジェクタークリーナーは、燃料タンクに入れて使う燃料添加剤です。燃料といっしょにインジェクターや燃料の通り道を流れ、たまった汚れを溶かして落とし、新しい汚れがつきにくくします。車を整備工場に預けずに、給油のついでに使えるのが利点です。

期待できることできないこと(整備が必要)
  • インジェクターの先についた汚れを落とす
  • 燃料ライン・燃料ポンプなど燃料の通り道の汚れを落とす
  • 汚れがまたたまるのを防ぐ(予防)
  • 摩耗した部品や壊れた部品を直す
  • 電気系(噴射の制御)の故障を直す
  • インジェクターの取り付け部からの漏れを止める
  • インジェクター以外の部品が原因の不調を直す

「クリーナーを使ったけれど効果がなかった」という声もあります。主な理由は次の3つです。

  • 汚れがもともと軽く、違いを感じにくい。
  • 汚れではなく、部品の故障など別の原因だった。この場合はクリーナーでは直りません。
  • 入れる量が少ない・1回だけで続けていない。

インジェクタークリーナーは「壊れたものを直す薬」ではなく、「汚れを落として、たまらないようにする」ためのものです。不調が重くなってから頼るより、定期的に使って予防するほうが向いています。

黒煙・燃費・エンジンの調子、まずはご相談ください

症状と車種を教えてください。クリーナーで様子を見るか、整備に出したほうがよいかも含めてご案内します。

インジェクターを洗浄する方法

インジェクターの汚れを落とす方法は、大きく分けて次の3つです。

方法内容向いている場合
燃料添加剤(インジェクタークリーナー)燃料タンクに入れて走るだけ。車を止めずにできる軽い不調・予防。まず試したいとき
取り外して洗浄・点検整備工場や専門業者がインジェクターを外し、洗浄機や試験機で洗浄・噴射の状態を確かめる添加剤で改善しない・噴射の状態を確かめたいとき
交換(新品・リビルト品)インジェクターを新しいもの、または再生品(リビルト品)に取り替える摩耗や故障で洗浄では直らないとき

取り外しての洗浄や交換は、整備工場に車を預ける必要があり、インジェクターはエンジンの気筒の数だけ付いているので費用もかさみます。交換したときは、インジェクターごとの補正値をコンピューターに登録する作業が必要な車もあります。まずは添加剤で様子を見て、改善しなければ整備工場で点検、という順番で考えるとよいでしょう。

ディーゼル車用クリーナーの選び方

  • ディーゼル車用のものを選ぶ。ガソリン車用とディーゼル車用では、落とす汚れも燃料の仕組みも違います。「ディーゼル専用」「コモンレール式対応」と書かれたものを選びましょう。
  • 燃料タンクの容量に合う量のものを選ぶ。トラックは燃料タンクが大きく、乗用車向けの小さなボトルでは量が足りません。タンクの容量ごとに使う量が示されている製品が使いやすいです。
  • 使い方の注意が具体的に書かれているものを選ぶ。入れる量、入れるときの燃料の量、併用してはいけないものなどがはっきりしている製品は安心です。
  • 車の取扱説明書も確認する。燃料添加剤について記載がある車もあります。迷ったら整備工場や販売店に相談してください。

DPFの再生の回数が増えている場合は、インジェクターとDPFの両方を洗浄するタイプのクリーナーもあります(下で紹介するデュアルクリーナーなど)。

使い方と注意

基本の使い方は「給油のときに、決められた量を燃料タンクに入れる」だけです。ただし、製品ごとに細かい決まりがあります。ディーゼルエイドの場合は、次のように案内しています。

  • 使う前に、指定の燃料フィルターに交換する。
  • 燃料タンクの容量に合わせて決められた量を入れる。多く入れてもよく落ちるわけではありません。
  • 入れるときの燃料の量を守る。インジェクタークリーナーは燃料が半分以下のときの使用を控え、デュアルクリーナーは燃料が満タンのときに入れます。
  • 入れるときはエンジンを止め、ゴミや水が入らないようにする。
  • ほかの洗浄剤と一緒に使わない。
  • ガソリン車には使わない。

効き目は、車の年数や走った距離、整備の状態によって違います。使う前に、製品に付いている説明書を必ず読んでください。

ディーゼルエイドのインジェクタークリーナー・デュアルクリーナー

トラックヒーローを運営する小林商会では、自社ブランド「ディーゼルエイド」のクリーナーを扱っています。どちらもコモンレール式のディーゼルエンジン用で、トラック・バス・フォークリフト・建設機械など、メーカーを問わずお使いいただけます。

インジェクタークリーナー

インジェクターについた汚れを落とし、つきにくくする燃料添加剤です。メーカーは、インジェクターの洗浄、燃料ライン・燃料ポンプの洗浄、エンジン内部の腐食防止、燃料系の摩耗の軽減を特長にあげています。6か月に1度の定期的な使用がすすめられています。

燃料タンクの容量使う量商品
160〜200L600mL × 1本インジェクタークリーナー 600mL
300L1000mL × 1本インジェクタークリーナー 1000mL
400L600mL × 2本インジェクタークリーナー 600mL

デュアルクリーナー

インジェクターの洗浄と、DPF(DPマフラー)の洗浄をひとつにしたクリーナーです。燃料に入れて走るだけで、ふだんの運転の中でDPFの中の汚れを燃やして取り除くことを目的にしています。「DPFの洗浄が必要なのはわかっているが、車を止めたくない・外す人手がない」という方に向けた製品です。

燃料タンクの容量使う量商品
100〜120L500mL × 1本デュアルクリーナー 500mL
160〜200L1,000mL × 1本デュアルクリーナー 1000mL
300L500mL × 1本 + 1,000mL × 1本500mL・1000mL
400〜460L1,000mL × 2本デュアルクリーナー 1000mL

使う量・注意は小林商会の製品資料(2026年10月時点)によります。商品の購入は会員様限定(無料の会員登録が必要)です。どちらが合うかわからないときや、まとめてのご購入は、お気軽にご相談ください。

参考にした資料

  • 小林商会「ディーゼルエイド インジェクタークリーナー」 https://kobayashishoukai.co.jp/injectorcleaner/
  • 小林商会 製品資料(インジェクタークリーナー・デュアルクリーナー) https://kobayashishoukai.co.jp/maintenance/

よくある質問

Q. インジェクタークリーナーは効果がありますか?
A. インジェクターに汚れ(デポジット)がたまって起きている不調には効果が期待できます。一方で、部品の摩耗や電気系の故障など、汚れ以外が原因の不調は直せません。汚れが軽いうちは効き目を感じにくいこともあるため、不調が出てからではなく、定期的に使って汚れをためないのが向いた使い方です。
Q. ガソリン車用のクリーナーをディーゼル車に使ってもよいですか?
A. おすすめしません。ディーゼルエンジンには軽油に特有の汚れがつき、燃料の仕組みもガソリン車と違います。ディーゼル車用と書かれたものを選んでください。反対に、ディーゼル車用のクリーナーをガソリン車に入れるのもやめてください。
Q. 多めに入れればよく落ちますか?
A. 入れる量を増やしても、そのぶん汚れがよく落ちるわけではありません。燃料の性質のバランスを崩すおそれもあるため、燃料タンクの容量に合わせた決められた量を守ってください。
Q. どのくらいの間隔で使えばよいですか?
A. 製品によって違います。ディーゼルエイド インジェクタークリーナーは、6か月に1度(または定期点検のとき)の定期的な使用をすすめています。
Q. クリーナーを入れても直らないときはどうすればよいですか?
A. 汚れ以外が原因の可能性があります。インジェクターそのものの故障のほか、エアクリーナーの詰まり、ターボやEGR、DPFの不具合でも似た症状が出ます。整備工場で点検を受けてください。

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