トラックの点検整備記録簿|日常点検・3か月点検の区分と項目、記録簿の書き方と保存期間
この記事のポイント
- 事業用のトラックや自家用の貨物自動車は、1日1回、運行の前に日常点検を行います。
- 定期点検は、事業用と車両総重量8トン以上の自家用トラックが3か月・12か月、8トン未満の自家用トラックなどが6か月・12か月ごと。
- 点検整備記録簿は車に備え付け、トラックの保存期間は1年間。結果はチェック記号(レ・×・△・A・T・C・L)で書きます。
トラックは、乗用車よりも点検の回数が多く決められています。「3か月点検は自分の車も対象?」「点検整備記録簿には何を書けばいい?」「いつまで取っておけばいい?」と迷うことも多いはずです。この記事では、国土交通省の「自動車の点検及び整備に関する手引」をもとに、トラックの点検の種類と時期、日常点検の項目、点検整備記録簿の書き方と保存期間をまとめました。手引の内容は、国の自動車点検基準によっています。
トラックの点検の種類と時期
点検には、使う人が自分で行う「日常点検」と、決められた時期ごとに行う「定期点検」があります。トラックの場合は次のとおりです。
| 車の区分 | 主な車 | 日常点検 | 定期点検 |
|---|---|---|---|
| 事業用など | 事業用のトラック・バス・タクシー、車両総重量8トン以上の自家用トラック(自家用の大型貨物自動車など)、自家用のバス | 1日1回、運行の前 | 3か月点検と12か月点検 |
| 自家用貨物など | 車両総重量8トン未満の自家用トラック、自家用の小型トラックなど | 1日1回、運行の前 | 6か月点検と12か月点検 |
| (参考)自家用乗用など | 自家用の乗用車 | 走行距離や運行の状態から判断した適切な時期 | 1年点検と2年点検 |
トラックやバスは、多くの人や物を運び公共性が高いことから、より確実な点検が求められています。タイヤやブレーキなど安全上重要な装置については、大型車(車両総重量8トン以上など)は、その仕組みに合ったより丁寧な点検が必要です。
また、走行距離が多いなど使い方が厳しい場合(シビアコンディション)は、表にない点検(メーカーなどが出している点検整備の情報を参考にした点検)も必要になります。
日常点検(運行前点検)の項目
日常点検は、運転席にすわったり、エンジンルームをのぞいたり、車のまわりを回ったりして、簡単にできる点検が中心です。手引に挙げられている主な項目は次のとおりです(◎はエアブレーキの車、□は大型車で点検します)。
| 場所 | 点検すること |
|---|---|
| 前の日の運行 | 前の日(前回)の運行で異状があった箇所に、運行の支障がないか |
| 運転席で | ブレーキペダルの踏みしろ・きき(エアブレーキの車は踏みしろの点検は不要)、駐車ブレーキの引きしろ、エンジンのかかり具合と異音、低速・加速の状態、ウインドウォッシャーの噴射とワイパーの拭き取り、◎空気圧力計の圧力の上がり具合、◎ブレーキバルブの排気音 |
| エンジンルームで | ウインドウォッシャー液の量、ブレーキ液の量、バッテリー液の量、冷却水の量、エンジンオイルの量、ファンベルトの張りと傷み |
| 車のまわりで | ライト・方向指示器の点灯と汚れ・傷み、タイヤの空気圧・亀裂や傷み・異状な摩耗・溝の深さ、□ホイールナット・ボルトの取付け状態、◎エアタンクにたまった水、◎ブレーキチャンバーのロッドのストローク(適切な時期に) |
大型車のホイールの取付け状態は、ナットの脱落やボルトの折損、ボルトのまわりの錆の流れた跡、ナットから出ているボルトの長さの不ぞろいなどを目で見て、点検ハンマーなども使って確かめます。詳しくはホイールナットの締め付けトルクと増し締めの記事、エンジンオイルの量の見方はオイル交換の記事、バッテリーはバッテリー上がりの記事にまとめています。
定期点検で見る主なところ
定期点検は、日常点検よりも細かく、リフトアップしたり工具や測定器を使ったりして行います。かじ取り装置、ブレーキ、走行装置、緩衝装置、動力伝達装置、電気装置、エンジン、排気ガスの浄化装置など、車全体が対象です。例えばエアブレーキの車では、次のような点検があります(事業用など)。
- ブレーキチャンバーのロッドのストローク(3か月ごと)
- ブレーキチャンバーのエア漏れ・ロッドの戻り(12か月ごと)
- ブレーキバルブ・リレーバルブなどのエア漏れ(12か月ごと)
ブレーキチャンバーの点検と交換時期はブレーキチャンバーの記事にまとめています。
点検時期の欄に「距離」とある項目は、前回の点検からの走行距離が、3か月あたり2,000km(6か月点検の項目は6か月で4,000km、12か月点検の項目は年間8,000km)に満たないときは省略できます。ただし、2回続けて省略することはできません。
定期点検の一部を自分で行う場合は、知識や技量に見合ったものだけを、安全な場所で、適切な工具や測定器を使って行います。車をリフトアップするときは、車に備え付けの簡単なジャッキではなく、適切なジャッキ・スタンド・リフトなどを使ってください。
点検で指摘された部品、お探しします
3か月点検・12か月点検や車検で交換が必要になった部品と、期日を教えてください。車検証の写真があれば、お使いの車に合う部品をお調べします。
点検整備記録簿の書き方
点検整備記録簿は、点検の結果と整備の概要を記録・保存して、車の維持管理に役立てるためのものです。手引が示す記載事項と書き方は次のとおりです。
- 点検の年月日:点検を行った年月日
- 点検の結果・整備の概要:点検項目ごとに、下の表のチェック記号などで、点検の結果と必要になった整備の概要を書きます。交換した主な部品(ブレーキ液、ブレーキホースなど)や測定結果(ブレーキライニングやブレーキパッドの厚みなど)も、必要に応じて書きます。点検整備の際に特定整備を行った場合は、チェック記号を○で囲むなどして記録します。
- 整備を完了した年月日
- 車台番号・自動車登録番号:車に備え付けの自動車検査証を見て書きます
- 点検時の総走行距離:オドメーターを見て書きます
- 点検・整備をした人の氏名(法人は会社名)と住所:自分で点検・整備した場合は住所を省略できます。点検と整備をした人が違うときは両方を書きます。
| チェック記号 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| レ | 点検の結果、異状がなかった | — |
| × | 交換した(部品・油脂・液類) | ブレーキライニングの交換、ホイールベアリングの交換 |
| △ | 修理した | 電気配線の損傷の修復、タイヤのパンク修理 |
| A | 調整した(遊び・すき間・角度など) | ブレーキドラムとライニングのすき間の調整 |
| T | 締め付けた(増し締め) | ホイールナットの増し締め、リーフスプリングのUボルトの増し締め |
| C | 清掃した | ブレーキドラム内の清掃、バッテリーのターミナル部の清掃 |
| L | 給油した(油脂・液類の補給) | エンジンオイルの補給、シャシー各部の給油脂 |
タイヤ交換のあとのホイールナットの増し締め(T)も、点検整備記録簿に残しておきましょう。いつ、何km走ったときに、どこを、どう整備したかが一目でわかるようになります。
保存期間と活かし方
点検整備記録簿は自動車に備え付けることになっています。保存期間は、自家用乗用自動車などが2年間、トラックなどその他の自動車は1年間です。
ただし手引では、車の維持管理を適切に続けていくためにも、記録簿をできるだけ長く保存して、車の「生涯記録簿」として活用することが望まれる、としています。長く残しておくと、次のようなときに役立ちます。
- ゴム部品や油脂類の定期交換の時期を確かめる(前回いつ交換したか)
- 同じ箇所で不具合がくり返していないかを見る
- 車を売る・買うときに、整備の履歴を示す
トラックヒーローを運営する小林商会は、バス・トラック部品の専門商社です。点検や車検で交換が必要になった部品は、品番がわからなくても、車検証の写真(または車台番号)があればお調べします。
参考にした資料
- 国土交通省「自動車の点検及び整備に関する手引」(令和7年7月8日最終改正) https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/images/t_tebiki.pdf
よくある質問
- Q. 点検整備記録簿の保存期間は?
- A. 国土交通省の手引では、点検整備記録簿は自動車に備え付けることになっていて、保存期間は自家用乗用自動車などが2年間、その他の自動車(トラックなど)は1年間です。ただし、車の維持管理のために、できるだけ長く保存して「生涯記録簿」として使うことが望ましいとされています。
- Q. トラックの定期点検は3か月ごとですか?
- A. 車の区分で違います。事業用のトラックと、車両総重量8トン以上の自家用トラック(自家用の大型貨物自動車など)は、3か月点検と12か月点検です。車両総重量8トン未満の自家用トラックなどは、6か月点検と12か月点検です。
- Q. 日常点検(運行前点検)はいつ行いますか?
- A. 事業用のトラックや自家用の貨物自動車などは、1日1回、その運行の前に行うことが必要です。大型トラックやバスは多くの人や物を運び、公共性が高いため、より確実な点検が求められています。
- Q. 点検整備記録簿には何を書きますか?
- A. 点検の年月日、点検の結果と整備の概要(チェック記号などで)、整備を完了した年月日、車台番号と自動車登録番号、点検時の総走行距離、点検または整備をした人の氏名(法人は会社名)と住所を書きます。自分で点検・整備した場合は、住所を省略できます。
- Q. 走行距離が少ないときは点検を省略できますか?
- A. 一部の項目は省略できます。手引では、点検時期の欄に「距離」とある項目について、事業用や自家用貨物などは前回からの走行距離が3か月あたり2,000km(6か月点検の項目は6か月で4,000km、12か月点検の項目は年間8,000km)に満たない場合は省略できるとしています。ただし、2回続けて省略することはできません。
点検で交換が必要になった部品、お探しします
3か月点検や12か月点検、車検で交換を指摘された部品を、車検証の写真(または車台番号)からお使いの車に合うものをお調べしてご連絡します。期日のある方はお急ぎでご相談ください。
お電話でも承ります(通話料無料)0120-01-5884 平日9:00〜17:30(土日祝日・年末年始を除く)
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